大手小売の仕事は頭おかしい、共産主義かよ
大手小売の現場仕事は頭おかしい
アルバイトとして大手小売に数年間務めていた経験があるんですが、大手小売の組織体系が作り出す現場仕事の構造ってマジでおかしいと思います。
あらかじめ言っておきますが、私は地方の最低賃金スレスレのクソみたいな時給で、会社の指示体系に順じて精一杯働いてきたつもりですよ。
だからこそ、現場のおかしな構造が身に染みて理解できるんです。
これから言うことを一言にまとめると
「なんで資本会社が現場仕事で共産主義やってんの?」
これに尽きます。
※厳密には「社会主義」と言うべきなのでしょうが、今回は「大手小売の労働現場」という狭い社会での状況を表現するために「共産主義」という言葉にしました。
大手小売とは?
大手小売とは大企業の経営する小売店舗のことですが、今回は「全国にチェーン店舗を持つ企業」という広い意味で使っています。
小売だけではなく、大手の飲食店なども含みます。
具体的な店舗名・企業名は挙げませんが「どこに行ってもよく見る店全般」と言えば、想像しやすいかと思います。
大手小売の現場仕事は雇用形態が同じであれば大体同じぐらいの時給で働かされます。
社内評価で上下がありますが、せいぜい+1~50円、現場リーダー級で+100円ぐらいでしょうか。
会社側としては現場の人間が「同じ給料・同じ労働形態で同じ生産性」であることを要求しているので、共産主義的な仕事を要求していると言ってもいいでしょう。
労働現場が共産主義って?
共産主義とは超簡単に言えば
「みんな同じ分だけ仕事して、みんなに等しく分ければ幸せになれるよ!やったね」
という発想です。
素晴らしい、まさしくその通り!と思われる方もいるかもしれませんし、私もそう思います。
でもこれただの理想論ですよ。
だって、これを実行する人間が理想とはかけ離れた不完全な生き物なんですから。
人間は欲望を持つ限り不完全
不完全な人間が共産主義を実行すると以下の通りのことが起こります。
- 怠ける奴らが必ずいる。隣人が怠ければあなたも少しずつやる気がなくなる。
- 定められた以上の仕事をする人がいる。上司が帰らなければあなたも帰れない。
- そもそも「同じ分だけの仕事」の測量が無理。
- 指示する人がいなければ現場の統一は難しい。
- 上に立つ人間が現れて、やがて搾取に目覚める。
これはすべて人間の欲望が生み出す現象です。
人間には欲望があります。
「楽をしたい」
「人に認められたい」
「お金が欲しい」
こういった欲望を達成するために行動します。
しかし、共産主義はこれを否定します。
真なる共産主義の実現には「人間的な欲望を捨てること」が必要なのです。
欲望を捨てた作業するだけの人間。それロボットと何が変わらんの?
成果を上げても上司や会社のもの
「時給や地位が変わるから共産主義ではない!」そう思われかもしれませんが、それはあくまで組織内の機能が正常に働いていれば、の話です。
自浄作用が働かずあるべき姿にならないから「資本会社なのに現場でやってることが共産主義」という歪な構造が生まれちゃうんですよ。
いわゆる、ジャイアニズムですよ。
「お前の努力や成果はすべて会社のもの」
はい、やり甲斐搾取ー。
そもそも社内評価システムが機能してない
これ、すごくタチが悪いんですよね。
「頑張れば給料も上がるし、正社員登用もあり得る!」と思わせてやる気の搾取しちゃうんですよね。
頭に竿付けて目の前に人参ぶら下げられて、延々と走り続ける馬みたいです。
しかも評価の基準が、資本会社なのに「顧客」ではなく、なぜか「上司」なんですよ。
そりゃ、みんな上司の見てる所でしか真面目に仕事しなくなりますよ。
その評価も店長→ナントカ長→ナントカ課みたいに、いくつもの部署を通さないと1円も時給が上がらないんですよ。
で、上の人間は搾取が好きなので、理由があれば非承認で時給は上がらない確率が高まるんです。
いやあ、評価もらうための基準が
- 上司への接待力
- 評価の関係ないところで効率よくサボる小賢しさ
- 上司が書いた書類だけで上の部署を納得させる
って、すごいシステムですなあ。
まあ、頑張っていれば評価は得られましたよ。
数年働いて時給10円アップ。代わりに責任だけ重くなる。
いやあ、一時間10円分の責任がやたらと重かったですねー。
…こんなの「仕事の出来ない人間」という評価もらって、適当に仕事する方がマシですね。
紹介案件達成しても報酬なし
あるんですよ。
会員カードの入会やスマホアプリの加入の強引な押し売り強要。
で、真面目に新規会員獲得しても一切報酬なし!
アフィリエイトやってる方なら狂気の沙汰だとわかりますよね。
これも現場で働くスタッフの成果ではなく、すべて上司や会社の成果にされます。
この手の紹介案件は9割以上のお客様にとってもありがた迷惑なのでやるだけ無駄です。
せめて、現場スタッフにしっかりそのサービスの価値をプレゼンしてください。
自分でセールストークまで考えさせておいて一切報酬なしとか、アフィリエイトの報酬システム知ってたらマジで狂気の沙汰。
場合によっては消費の自由も奪われる
厳密な共産主義社会では消費の自由がありません。
国家から与えられるものだけで生活をしなければなりません。
その点、日本の共産主義的現場はまだ良心的です。
しかし、会社によっては
- 未達成のノルマは自腹
- 法律や社内規定に準拠していない不当な損害請求
- 自社製品の購入を強要
- 飲み会の参加を強要
など、消費の自由まで奪うところもあるようですね。
消費の自由まで奪われたらガチで共産主義社会に近づくからほんとやめて。
「スマイル0円」=「人間性0円」
大手小売は接客に「明るい」「大きな声」のような脳筋体育会系的な仕事を求めます。
これは人間性を演出するためのものでしょう。
ですが、現場仕事に人間性を求めていないというのにどうして心から笑顔で接客できましょうか?
そりゃ無表情となんら変わらない営業スマイルマスクを被る人間ばかりになるわけですよ。
「スマイル0円」などと、「営業スマイルにはなんの価値もない」と自ら言ってるのはおもしろいジョークですよね。
人間性は、大手小売の仕事においては0円の価値なんです!
「お客様は神様」じゃない
「お客様は神様」
もうこれ聞き飽きたから、言うのやめにしませんか?
これを本当に言っていいのはお客を選べる権限のある人だけですよ。
会社は労働者に、1円も払わない客にも高額の買い物をするお客様にも平等なサービスを要求します。
労働者は顧客を選べません。
で、お客様の要求はバラバラ。
わけのわからんクレームをつけてきて1円も払わない客に長時間拘束される。
高額な買い物をされるお客様はちょっとしたミスがあってもなぜか丁寧な対応で許してくれる。
いや、なんかこれ資本主義としても破綻してないですか?
サービスの市場価値が崩壊しまくりですよ。
顧客を喜ばせても評価されない
いや、私も出来るものなら「お客様は神様」と思いたいですよ。
自分の仕事で多くの人に喜んで貰えてその対価に何か得られたら最高ですよ。
でもお客様にどれだけ誠心誠意を込めて対応をしてもせいぜい「ありがとう」と言われるだけで、1円も報酬が発生しないんですよ。
日本にはチップ制度も浸透してませんからね。
その上、前にも言った通り従業員の評価をするのは顧客ではなく上司や会社なんです。
これが、必要以上のサービスを要求してくるお客様は無駄に仕事増やすだけの存在という構造になってるわけです。
従業員からすればお客様が来ないと仕事が減る上、それで賃金が下がるわけでもないので、極論を言えばお客様に来て貰わない方がいいんですよ。
大手小売の共産主義的現場は従業員に
「お客様は敵」
と、思わせる構造なんです。
大手小売は人間の尊厳を奪う
このように大手小売の労働現場は
- 頑張るだけ無駄
- 変にやる気出すと賃金は上がらないまま周りの仕事を増やす結果に
- 人間性は一切求められない
と、実に共産主義的なんですよ。
共産主義国がどういう末路を迎えたかは歴史が教えてくれます。
そこには人間の尊厳が奪われた前例がたくさんあります。
さっさとこんなバカなことはやめて人間の尊厳を取り戻しにいきましょう。